東京都庭園美術館で「ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―」が開催
ルーシー・リー《青釉鉢》1980年頃
井内コレクション(国立工芸館寄託) 撮影:品野 塁
東京・白金台の東京都庭園美術館にて、「ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―」が2026年7月4日から9月13日まで開催される。20世紀を代表する陶芸家のひとり、ルーシー・リーの歩みをたどる、日本国内では約10年ぶりとなる待望の回顧展となる。
By AAJ Editorial Team20世紀を代表する陶芸家、ルーシー・リー
オーストリアのウィーンに生まれたルーシー・リー(1902-1995)は、ウィーン工芸美術学校で轆轤(ろくろ)を用いた制作に魅了され、陶芸の道へと進んだ。気鋭の作家として地位を確立しながらも、1938年に戦争により亡命を余儀なくされ、作陶の拠点をイギリスのロンドンへと移すことになる。
ルーシー・リー《熔岩釉鉢》1980年頃
井内コレクション(国立工芸館寄託) 撮影:品野 塁
ろくろから生み出される優雅なフォルム、象嵌(ぞうがん)や掻き落とし技法による独創的な文様、そして釉薬が織りなす豊かな色彩。彼女の生み出すうつわがもつ繊細さと凛とした佇まいは、国境や時代を超えて、今もなお多くの人々を惹きつけてやまない。
東西の交差点から紐解く、造形の源泉
日本国内の貴重なコレクションが一堂に会する本展。大きな見どころのひとつは、彼女と交流のあった関連作家たちの作品もあわせて展示される点だ。
ウィーンで出会ったヨーゼフ・ホフマンや、ロンドン時代に知り合ったバーナード・リーチ、ハンス・コパー、そして日本の濱田庄司など、多彩な顔ぶれが並ぶ。
制作初期から円熟期に至るまで、リーが出会った場所、人、時代背景を交えながら、日本を中心とした東洋のやきものとの関係性も見つめ直す。
ルーシー・リー《ピンク象嵌小鉢》1975-79年頃
国立工芸館蔵 撮影:アローアートワークス
ルーシー・リー《ボタン》(一部) 1940-50年代
公益財団法人岡田文化財団パラミタミュージアム蔵
アール・デコ建築と優美なうつわの対話
会場となる東京都庭園美術館の本館は、1933年に朝香宮家の自邸として竣工した、歴史あるアール・デコ建築だ。ホワイトキューブの無機質なギャラリーとは異なる、うつわ本来の魅力を引き出す邸宅空間。この特別な場所で、ルーシー・リーの繊細かつ優美な造形世界と、旧朝香宮邸の建築意匠とが織りなす静かな対話を楽しむことができるのも、本展ならではの贅沢な体験と言える。
東京都庭園美術館 本館 正面外観
DATA
「ルーシー・リー展―東西をつなぐ優美のうつわ―」
会期/2026年7月4日(土)~9月13日(日)
会場/東京都庭園美術館(東京都港区白金台5-21-9)
開館時間/10:00~18:00(入館は閉館30分前まで)
※8月7日・14日・21日・28日の金曜日は21:00まで夜間開館
休館日/毎週月曜日 ※7月20日は開館、7月21日は休館
観覧料/一般1,400円、大学生1,120円、高校生・65歳以上700円(税込)※中学生以下は無料
※本展は日時指定予約制
※7月29日(水)・8月5日(水)はフラットデー開催のため、通常よりも入場者数を制限
URL/https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/lucie-rie/