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古の風情が残る富山県八尾町へ、職人の心に触れる1泊2日の旅

古の風情が残る富山県八尾町へ、職人の心に触れる1泊2日の旅

例年5月上旬、富山市八尾町にある八幡神社では、「越坂八尾曳山祭」という春祭りが催され、美しい花山車に人形や 演者たちが乗って練り歩きます。そして9月上旬の「おわら風の盆」は、さらに趣向が凝らされており、女性は麦わら帽子を被り浴衣を身につけ、男性は着物を着て、胡弓や鼓、三味線の音に合わせて舞い踊る趣深い行事となっています。

今回の富山の旅は、こういったイベント以外にもある富山の魅力を発掘します。こだわりのある様々な店を訪問し、八尾町の衣・食・住・遊を身近に感じ、さらには職人の心に触れる旅です。
(※この記事は簡体字記事を翻訳してご紹介しています)

富山の「遊」

富山の「遊」

富山の伝統工芸品として知られる「越中八尾和紙」は、丈夫な手触りが特徴で、文字を書く紙としてよりも紙製品の材料に向いています。この和紙を作っている桂楽舎は、昔ながらの手漉き製法にこだわり、八尾和紙の特性を生かした様々な紙製品を作る和紙工房です。ここでは、和紙製品の販売だけでなく、八尾和紙にまつわる歴史資料や民芸品も展示しています。

趣ある建物の中に足を踏み入れると、「和紙文庫」というミュージアムがあり、パピルスなどの紙の発展の歴史や、和紙で作られた様々な不思議な商品に触れたりすることができます。また、館内には和紙製品のショップもあり、かわいい商品がたくさんあります。私はお土産に八尾和紙で作られた本物そっくりの「招き猫」を2体購入しました。

八尾和紙は日本の国の伝統工芸品に認定されており、ここでは買い物をするだけでなく、手漉き体験もできます。スタッフの指導のもと、手作業でパルプを漉く感覚は格別です。私は3枚の和紙を選び、八尾の城山で拾ってきた河津桜と梅の花びらを一緒にに入れ、世界にひとつだけの素敵な和紙を完成させました。

桂樹舎
住所:富山県富山市八尾町鏡町668-4
ホームページ:https://keijusha.com/

富山の「食」

富山の「食」

山元食道は築100年の町家を改装したレストランです。 もともとはJR八尾駅に隣接する鍋料理店でしたが、2007年に閉店しました。しかし、常連客の多くが閉店を惜しんだため、元の鍋料理店の名前を借りて「山元食道」が誕生したのです。 店名に含まれる「食道」という語は「食堂」を意味する日本語と同音であり、「道」という文字には美味しさの本質を追求するという意味が込められています。

モダンな店内には、八尾和紙の工芸品があちこちに見られます。「気まぐれランチ」と銘打ったメニューは、日によって中身が変わり、トンカツから鮮魚まで幅広く登場します。店内の料理のほとんどに地元の食材や調味料が使われるなど、まさに真の富山ローカルの味と言えるでしょう。店主の温かいもてなしと美味しい料理が、この店の人気の秘密です。湯気の立つ熱々の牛すじ鍋は、私と友人に美味しい料理の温かさと癒しを与えてくれました。

山元食道
住所:富山県富山市八尾町鏡町 1000-10
ホームページ:http://yamamoto-shokudou.com/

富山の「衣」

富山の「衣」

木造の店構え、歴史を感じさせる雰囲気、ミシンの音......。そして斬新なファッションが、言葉にできないハーモニーを奏でています。それはノスタルジックかつファッショナブルという不思議な感覚。斬新なデザインに施された伝統的な着物の柄には、創業者の知恵がさりげなく隠れています。かつて青島で4年間暮らした原井紗友里さんが立ち上げた環境に優しいファッション・ブランド、tadas(タダス)を紹介します。

日本では年間77万トンもの古着が廃棄されており、うち約63%の古着は焼却もしくは埋立処分され、環境に多大な負担をかけています。 tadasのコンセプトは、日本のほとんどの家庭にある古い着物をリサイクルし、環境に優しい様々な素材と組み合わせて新しい服を作ることで、一度使われた着物に新たな命を吹き込み、持続可能な衣服の循環を生み出すことです。

こうして、和装と洋装をそれぞれ得意とする地元のテーラーたちが、このアトリエに集い、全く新たなファッションを牽引しているのです。 洋服だけでなく、ブローチやネクタイなどのアクセサリーも販売されています。初めて八尾町に来たなら、この雰囲気に魅了されずにはいられないでしょう。お土産にtadasを購入するのもオススメです。

tadas
住所:富山県富山市八尾町上新町2696-1
ホームページ:https://tadas.jp/

富山の「住」

富山の「住」

tadasからほど近い場所で、我々は趣のある民宿「越中八尾ベースOYATSU」を見つけました。築150年の歴史を誇るその建物はもともと蔵でしたが、2016年にリニューアルオープンし、単なる民宿ではなく、観光客が地元の人々と交流できる理想的な空間となりました。民宿では、日本の三味線や着物などの体験ができ、CAFE&BARでは季節の飲み物やコーヒー、八尾の和菓子などを楽しむことができます。

店員の着物についての説明を聞きながら、200着以上の着物の中からお気に入りの着物を選びます。 着物を着付けた後は、「日本の道100選」にも選ばれている諏訪町通りを歩いて、昔の日本を感じ、八尾の楽しさを味わいましょう。ベースOYATSUに泊まるなら、古い町並みを散策しない手はありません。もちろん、忘れがたい瞬間をカメラに収めれば、一生の思い出になるでしょう。

https://www.facebook.com/8base

日本の三味線は派手なメロディーを落ち着きの調べへと変貌させる楽器です。ベースOYATSUでは、八尾町の有名な三味線奏者から三味線のテクニックを学び、一緒に演奏する楽しさを体験できます。趣ある民宿でいにしえの風情を感じ、明日への期待を胸に富山の夢に浸りましょう。

越中八尾 ベースOYATSU
住所:富⼭県富⼭市 ⼋尾町上新町2701-1
ホームページ:http://8-base.chu.jp/